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DDEVを使ってアプリをローカル実行してみた

DDEVを使ってアプリをローカル実行してみた
目次

はじめに

エンタープライズ企業が使用するデジタルマーケティングツールとしてDrupalは高い柔軟性を持ち、多くの企業で採用されています。しかし、ローカルでの開発環境を整えるのは、多くの開発者にとって悩ましい課題です。そこで登場するのが、DDEVというDockerベースのローカル開発ツールです。DDEVを使うことで、複雑な設定や環境依存を軽減し、効率的にDrupalサイトをローカルで構築・実行することができます。

本記事では、DDEVを使用してローカル環境でDrupalをセットアップする方法を、実践的な手順を交えて解説します。

DDEVとは?

DDEVは、Docker上で動作するオープンソースのローカル開発環境ツールです。DDEVを使用することで、開発者は本番環境と同じ環境をローカルで簡単に構築でき、開発作業の効率が大幅に向上します。特にDrupalのように多くのモジュールや依存関係があるCMSでは、バージョンの違いによる不具合や環境の不一致を避けるために、DDEVのようなツールが非常に有効です。

DDEVは、Mac、Windows、Linuxといった主要なOSに対応しており、非常に柔軟で直感的な操作が特徴です。また、DDEVにはComposerが内蔵されているため、ローカルにPHPやComposerを個別にインストールする必要がありません。

DDEVを使ったDrupalのセットアップ

ステップ1: 必要なソフトウェアのインストール

まずは、Dockerをインストールします。DockerはDDEVの基盤となるコンテナ技術で、各プロジェクトの依存環境を独立して管理することが可能です。Dockerのインストールが済んだら、次にDDEVをインストールします。MacやLinuxの場合は、Homebrewを使って以下のコマンドでインストールできます。

brew install ddev/ddev/ddev

Windowsの場合は、ChocolateyやWSL2を活用してインストールします。

ステップ2: Drupalプロジェクトのセットアップ

DDEVのインストールが完了したら、ターミナルを開き、Drupalプロジェクトを格納するディレクトリを作成します。


mkdir my-site
cd my-site
    

次に、DDEVの初期設定を行います。プロジェクトタイプとして「drupal10」を指定し、ドキュメントルートを「web」に設定します。


ddev config --project-type drupal10 --create-docroot --docroot web
    

ステップ3: Drupalのインストール

プロジェクトが設定できたら、Composerを使ってDrupalをインストールします。


ddev composer create drupal/recommended-project -y
    

このコマンドにより、Drupalの最新推奨パッケージがダウンロードされ、必要な依存関係がインストールされます。次に、Drush(Drupal専用のコマンドラインツール)をインストールし、Drupalのセットアップを完了させます。


ddev composer require --dev drush/drush
ddev drush site:install --account-name=admin --account-pass=admin -y
    

※筆者の環境ではPHPのversionを8.3に上げる必要がありました。config.yamlから簡単に修正できます。(例php_version: "8.3")ファイルを書き換えたあとにDDEV restartするのを忘れないようお願いします。

これで、管理者ユーザー「admin」が作成され、Drupalサイトが初期設定されます。

ステップ4: サイトの確認

最後に、以下のコマンドでブラウザを開き、Drupalサイトを確認します。

ddev launch

これで、ローカル環境にてDrupalサイトが立ち上がります。設定に不具合がないか確認し、開発を始めることができます。また、DDEVでは以下のような便利なコマンドも用意されています。


ddev describe  # プロジェクトのURLや状態を確認
ddev stop      # プロジェクトを停止
    

DDEVの利点と活用例

環境依存を解消する

DDEVの最大の強みは、本番環境とローカル環境をほぼ同一に保てる点です。通常、ローカル環境ではPHPやMySQLのバージョンが異なることがあり、これが原因で発生する不具合も少なくありません。しかし、DDEVを使うことで、本番と同じコンテナ環境をローカルに再現できるため、こうした問題を解消できます。

フロントエンド開発者にとっての利便性

フロントエンド開発者にとっても、DDEVは非常に便利です。npmや他の依存関係管理ツールのように、シンプルなコマンドを使って開発環境をセットアップできるため、サーバーサイドの複雑な設定を意識する必要がありません。

まとめ

DDEVを使用することで、Drupal開発のローカル環境構築が非常に効率的かつ簡単になります。開発者が環境設定に悩まされることなく、プロジェクトに集中できるため、生産性の向上が期待できます。また、DDEVの強力な機能を活用することで、エンタープライズ規模のプロジェクトでも安心して開発を進めることが可能です。今後、ローカル開発環境を見直す際には、ぜひDDEVを検討してみてください。